「挿し子」という仕事。
「挿し子」(sashiko)という仕事をご存知だろうか。
仕事というか担当。
左官業の中でも「土壁」をメインとした仕事の中で出てくる仕事。
要は、高い所で土壁を塗ってると、
いちいち土の補充に下に降りるのが面倒なので
下から土を投げてくれる人のこと。
僕の現場では当たり前に見られる光景だけれど
「イマドキの人は存在すら知らないんだろうなぁ」
とふと思い、何かに留めて置きたかったのです。
ここの左官屋さんはとても上手な職人さん。
僕の思惑もあり、今回は天井も土壁塗り。
これだけ上手に塗ってくれる左官屋さんは随分減りましたね。
現段階で塗ってるコレは「荒壁」という下地。
最終的にはこの荒壁の上に「仕上げ」の土壁を塗ります。
奈良時代には「壁工・泥工」と言われた職手が
安土桃山の時代、千利休の茶室で塗り壁が鑑賞の美的対象として自立したとき
『左官』は生まれた、という。
左官は「その素材から仕上げまで」のチームワークと言える。
昨今はデザインに走りながらも、
肝心要は自然に寄り添うことで生まれる「左官」に
僕はずっと大切に寄り添えたらと思う。
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■■■ Architect Design Office YAMATO 代表・野田 敏男
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