おもてなし。
庭師の彼が訪ねてくれた。
オフィスで茶飲み話。
我が家の茶室周りの作庭は彼の手。
妻・祐子希望の紅葉も、彼の手。
茶室から臨む紅葉が大好きだ。
新緑の紅葉。紅く染まった紅葉。
茶室の障子を開けられる時期は限られる。
春と秋。そのうちの ほんの一瞬。
暑くても困るし、寒くても困る。
客が来る2時間前には炉に火を入れる。
2時間の間にシュンシュンとお湯が沸く。
部屋内が それと共に熱気がこもる。
茶席に客が入る直前に少し障子を開ける。
垣間見える紅葉と 流入する外気が 心地好い。
この障子を開けるタイミングが
毎回 難しいミソなのである。
「すごいおもてなしですね」
と彼が言う。
僕は はっとさせられた。
彼の発言が お世辞混じりとか、本意とか、
そういうことでは無く、
僕がお客様の為に最上をと、考えあぐねていたこと。
それがイコール「おもてなし」だったということ、
に はっとした。
「おもてなし」とも十分解釈できる。
という発見が僕は嬉しかった。
あらゆる物事は「独り」である自分が主体だけれど
友などの客観的・鏡的存在で、何かに気づくこともある。
なんてことは無い会話で気づくこともある。
実は彼もまた茶人。
彼ならではの発想・着眼点ともいえる。
茶道の根本のひとつである「おもてなし」。
何とはなしに、当たり前に、良かれと悩み動いていたことが
それも一つの「おもてなし」だったという今日の出来事。
今夜は気持ち良く眠れそう。
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