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建築と茶道とデザイン。そして大和魂’s blog

愛知県西三河・安城市在住の建築家であり茶人・野田敏男の日記。

好きな本_2。

中原中也が好きだ。

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たった30歳でこの世を去った孤高の鬼才。

好きな詩のひとつは『帰郷』だ。


  柱も庭も乾いている。
  今日は好い天気だ
    縁の下では蜘蛛の巣が
    心細さうに揺れている

  山では枯木も息を吐く
  あゝ今日は好い天気だ
    路傍michibataの草影が
    あどけない愁kanashiみをする

  これが私の故里だ
  さやかに風も吹いている
    心置きなく泣かれよと
    年増婦の低い声もする

  あゝ おまへはなにをして来たのだと・・・
  吹き来る風が私に云ふ


評論家では無いので批評はしない。
こういうのを感じとるのは、感性だと思っている。
語れば語るほど、真実味が薄くなる気がする。
だから感じる人が感じるように感じれば良いと思う。

 

あまりに高い芸術的理想を掲げたため、
周りの人々に敬遠され、実生活では孤独だった中也。

必死に生きれば生きるほど孤独を感じる。
血が出るほどに歯を食いしばり
背骨が折れるほどの思いをして頑張ってきた者なら
一度は感じたことがある想いじゃないだろうか。

 

中也はこんな事も書いている。


  芸術家よ、
  君が君の興味以外のことに
  煩はされざらんことを。
  かくいふことが、
  芸術家以外の人に、
  虫のいこことと聞えるならば
  云わねばなるまい

   「自分の興味以外に
    煩はされずして生きることは
    それに煩はされて生きることよりも
    よっぽど困難なのが一般的である。
    虫のいいのは君の方だ」


とはいえ、
中也ほど自分の興味以外の現実に
煩わされつづけた詩人もいなかった。
自分の詩に絶対の自信を持ち
そのクセ、詩では全く食べていけなかった中也。

僕はそんな中也に愛着を感じる。
畏れながらも共感を感じる。

決してそんな風に生きれはしないのに
中也のような生き方に焦がれる自分がいる。

無いものねだりかな。

そんな想いも時には感じながら
自分の興味以外の事に煩わされながらも
血と肉として感じられることに
モチベーションを感じて
不安と希望を交錯させ、
また明日を待つ俺、ここにいる。

 




     □□□ 住宅・店舗・設計・企画・新築・リフォーム・リノベーション
     
     ■■■ 愛知県 西三河 安城市の建築デザインオフィス
     ■■■ Architect Design Office YAMATO  代表・野田 敏男