撓め tawame。
遂に届いた。
1年越しの自分自身への贈り物。
京漆器の塗師。
西村圭功さんの「撓め tawame」。
http://www.keikou.jp/
撓め、とは。
極めて薄く挽いた欅keyakiの木地を
漆を吸わせて固める。
すると
元の形に戻ろうとする欅の力と
留まろうとする漆の力が
均衡して、せめぎ合い
なんとも言えない奇麗な弧の形に納まる。
人の手が加わるという意味で「作為的」でありながら
欅と漆の拮抗に委ねる「無作為」なアート。
それが『撓め』。
早速、我が家の茶室に飾ってみた。
ちょうど皐月の西陽が入る頃。
陽射しと漆のコラボが
透き通るような遠近感を生み出す。
思えば1年前の京都・東山での作品展。
この器と巡り会わせてくれた
KAHO GALLERYさんに感謝。
http://kahogallery.o.oo7.jp/kg/top.html
西村圭功さんの作品購入はこれで2ツ目。
少しずつではあるが、
手のひらサイズの小さな宝物が
少しずつ増えていくことが嬉しい。
手の届かぬくらいに
高みに置き尊ぶだけが全てでは無い。
近傍に置いてこそ。
手を触れ抱いてこそ
そこに魂が宿る。
工藝は現実に交われば交わるほど美しい。
吾々に近づけば近づくほどその美は温かい。
高く位するのではなく、近く親しむのである。
かくて「親しさ」が工藝の美の心情である。
器を識る者は、必ずそれに手を触れるではないか。
両手にそれを抱き上げるではないか。
親しめば親しむほど、側を離さないではないか。
あの茶人たちはいかに温かさと親しさとを以て、
それを脣くちびるに当てたであろう。
その美が深ければ深いほど、
私たちとの隔りは少ない。
よき器は愛を誘う。
「工藝の美」柳宗悦
「うつろい」をテーマにした我が茶室。
そこにこそ、この器は相応しい。
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