建築と茶道とデザイン。そして大和魂’s blog

愛知県西三河・安城市在住の建築家であり茶人・野田敏男の日記。

気付く。気付かされる。

久々の石川県出張。

金沢と輪島を廻る。
愛知から車で向かう。
妻と息子と、妻の親友を乗せて。


空いた時間に茶屋街を廻る。

工芸、雑貨、飲食。
こんな風にちゃんと金沢を歩いたのは初めてだ。

僕の好みの店もあれば
そうでない店もある。

気が付けば
陳列された商品よりも
什器の仕組み・建具の納まり
看板の素材が気になる自分が居る。



今、地元で大きな老舗店の
リノベーションデザインを受けている。

当初予算よりもグッと下がった金額。
そんな事は良くあることで。
そこで、どうまとめようかと
長いこと漠然と煮詰まった状態。


和カフェでお抹茶を頂きながら
皆と会話をしながらも
心はここにあらずで
そこに想いは飛んでいく。


ハッと気が付く。

僕が惹かれるディテールの店は
殆どがオリジナルで創り上げられた店だ。
言い換えれば
ポイントになる箇所には既製品を使って無い。

間違えちゃいけないのは
既製品を使わないことが良いんじゃない。

そこに納まるのに相応しい形を求めたら
たまたまオリジナルになったというコト。


予算の問題は当然付いて廻る。
既製品ではコストがかかり過ぎることもある。

そもそも目的の品が存在しないこともある。

それでも何か目的を果たしたいとき
「だったら自分達で創ればいいじゃないか」
という至極まっとうな発想論理。


ところが歳を経て経験を経てくると
それを選択しない自分が居る。

大抵は慣れで無意識な自分だ。

デザイナーなどと偉そうな事を言いながら
知らず知らずのうちに
各種のカタログから品をチョイスする
単なる「セレクト屋」になっている自分。

何か困難にぶつかれば
容易く「仕方無いよね」と
折り合いをつける自分。

一番なりたくないと思っていた自分だ。



デザインとは何か。

ここでも間違えちゃいけないのは
デザインって「奇をてらう」ことじゃない。

デザインの語源は数あれど
僕が推すのは「De・Sign」

DeはDeleteで消すの意。
Signは署名。

署名を消す。
つまり
「誰が創ったかわからない」
「それくらい当たり前の形」
を目指すのが
「Design デザイン」
だと僕は考える。


ここに什器を置くなら当然こうなる。
ここに建具を納めるなら当然こうなる。

使い勝手のために。
主たる客のために。


そういうプロセスを誰よりも大切に動くのが
デザイナーの主務だったはずじゃないか。


そこに気づけた自分が嬉しい。
気付けた事による勢いのあるモチベーション。

そういう思考論理になってくると
見る目も変わってくる。
着眼点が変わってくる。


覚悟も変わってくる。
「この物件を120%で成功させないと
 デザイナーとしての僕の次は無い」
希望が宿ったからこその覚悟。


だから全然負ける気がしない。
『見てろよ、てめえら』
って感じだな。


長いこと感じてたグレーの闇から
ひとつ頭を抜け出した感じ。


金沢、最高。
時には旅って必要なのかも知れないね。

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